■ 公案メソッドについて
公案とはひとつの <問い掛け>を手掛かりに悟りの境地を見出すテクニックであり、AIのリトリートでは伝統的公案メソッドを - 新しい方法 - で取り入れています。
ある禅師が公案自体のインテンションを失わずに、社会のなかで生活する現代人に適合した方法を生みだしました。従来の伝統的な修行者がとる方法と少し異なり、公案とコミュニケーションを組み合わせた一風変わった方法です。パートナーと向かい合って座り、公案を5分間づつ交互に投げかけて行う方法です。
「tell me who is in?(あなたの中に誰がいる?)」もしくは、「tell me who you are?(あなたは誰か?)」と言う2つの公案が与えられます。パートナーと向かい合い、公案を投げ掛けた方が聞き手となり、問い掛けられた方が話し手になります。5分たったら交代します。4セッションを行い、しばらくして違うパートナーと座って再び始めます。
聞き手になる方はどんな反応もせず、鏡となって話し手を映しだします。話し手は公案に対してその瞬間瞬間に繰り広げられている自分について話します。自分以外の人についてではなく、また、一般的な説明論でもなく、あくまでも自分についてです。自分自身に真摯に向き合います。繰り広げられている世界は誰のものでもなく、自分の世界だからです。
この方法はとても理にかない、社会生活のなかでの私たちのあり方を示唆してくれます。公案を投げかけた後に聞き手となる者、投げかけられて公案を解く者、この両方の立場に置かれることで <人>とは何かを理解することができます。両者の言葉によって互いの深層心理に理解を生み、脳のなかで繰り広げられている人間の世界観を素早く垣間見ることが出来ます。ゆえに、不必要に何十年も闇のなかでもがく時間を省くことができます。この理解はある時点でピークに達し、私たちの存在の核に化学反応が起こり、洞察に達します。
投げ掛けられる公案に全身全霊で打ち込むことは、解く者の存在そのもの(体・思考・感情)が矢のように一点に向かって集中され、謎の扉を射貫きます。SATORI/悟りとは? NIRVANA/涅槃とは? それは遠く手の届かないものではなく、私たちの本質のことであり、涅槃に至るとは切り離された感覚から解放されて、ついには "我が家" (十牛図参照)に帰し、内なる成長が開花し始めます。

